【残留決定】データで見る!勝つべくして勝った!? ~vs. 松本山雅FC ~ 2015年2nd第15節

[2015年シーズン ラスト2]
2015年シーズンのサガン鳥栖、ここまで2ndステージ15節(32試合)を戦い年間順位12位。残留確定しましたね。結果は、みなさんご存じの通り、2-1の勝利。 少し投稿が遅くなりましたが、データをじっくりみていくと65分に先制された後の73分に藤田選手を投入したことで勝利を手繰り寄せたという思いにいたりました。また、前回記事では「鳥栖スタイルに変化の兆し?!」と題して対松本戦を予想展望しました。この点についても今節を含む、直近5試合を比較して検証してみたいと思います。今回も活用するデータは、いつものようにJリーグ公式サイトの「トラッキングデータ」とサッカーのデータを扱うサイトとして有名な「Football LAB」さんのデータを活用したいと思います。今シーズン最大の山場といっても過言ではなかったこの一戦。データを可視化(見える化)して迫ってみたいと思います。

それでは、始めます!!
■『残留決定』 データで見る!勝つべくして勝った!? ~vs. 松本山雅FC  ~ 2015年2nd第15節

まずは、いつものように「ランキング」をどうぞ↓↓

「サガン鳥栖版 J1第2ステージ第15節走行距離発表、最も走ったのは?」
①2015_J1_2nd_15節_走行距離ランク(鳥栖vs松本)_
[チーム走行距離] 鳥栖:113.44km
松本:111.64km

「サガン鳥栖版 J1第2ステージ第15節スプリント回数発表」
②2015_J1_2nd_15節_スプリントランク(鳥栖vs松本)_
[チームスプリント回数] 鳥栖:140回
松本:171回



ランキングを見ると走行距離では、鳥栖が2Km程上回っています。スプリント回数に目を移すと、松本が鳥栖を30回も上回っています。何なんでしょうか?この差は?これだけ見ると松本が勝利してもおかしくない数値ですね。この差を探るために、まず先発フォーメーションを確認してみます。

↓↓ 先発フォーメーション

引用元:Football LAB

引用元:Football LAB

松本は、1ボランチですね。対する鳥栖は、ダブルボランチです。サイドの攻防で鳥栖のボランチがうまく機能すれば、松本よりも1人多い形で数的優位を作りやすい状況ではないかと思います。また、松本はロングボール主体の戦術を取っていますので、戦いを優位に進めるには、FWのターゲットめがけて蹴りこみ、こぼれ球を拾う必要があります。ここでスプリント回数トップの松本の田中(隼)選手のサイドに注目してみると、前に空いた大きいスペースを駆け上がり、相手ボールになれば、戻るという。かなりアップダウンの運動量を必要とすることが見て取れます。また、松本の岩上選手も同様にかなりの運動量を必要とすることが見て取れます。対する鳥栖は、このサイドにミヌ選手、水沼選手というチームでもトップクラスの運動量とテクニックをもつ選手がマッチアップしています。さらにボランチの岡本選手、DFのミンヒョク選手という対ロングボール対応として強力な布陣です。このようなことから、自ずと鳥栖に対抗するために松本の田中(隼)選手、岩上選手のスプリント回数が増加したと考えられます。また、松本のウィリアン選手も出場時間45分で21回ものスプリントを行っていますが、これもロングボールを受けるまたは、ロングボールをこぼれ球を拾う動きを繰り返していたものと考えられます。次に鳥栖から見て左サイドの「走行距離とスプリント回数」分布を見てみたと思います。

↓↓松本戦 鳥栖左サイド選手マッチアップ「走行距離とスプリント回数」分布
④2015_J1_2nd_15節_鳥栖左サイド攻防分布(鳥栖vs松本)

横軸が「走行距離」、縦軸が「スプリント回数」です。松本の田中(隼)選手のスプリント回数にすぐ目が行きますね。しかし、良くみるとマッチアップするミヌ選手との差は、3回とそれほど差はありません。一方、走行距離を見ると、鳥栖の水沼選手がマッチアップする松本の岩上選手を1km弱上回っています。この4人の走行距離とスプリント回数をチームごとに集計すると以下のようになります。

[鳥栖:ミヌ選手+水沼選手] 走行距離:23.15km
スプリント回数:42回
[松本:田中選手+岩上選手] 走行距離:22.89km
スプリント回数:45回

拮抗してますね。しかし、鳥栖はシステム上、ここにダブルボランチの一角である岡本選手の攻守の支えがあります。対する松本はワンボランチのため、鳥栖ほどの攻守の支えが期待できない状況です。このことから鳥栖の左サイドに分があると思われます。また、鳥栖右サイドも同様と考えられます。このように見ていくと松本は、精度の良いロングボールとこぼれ球をうまく拾って相手を押し込むことが勝利の絶対条件だということが見えてきます。

ここで、Football LABさんのデータを引用してボール支配率を見てみると試合全体のボール支配率は、「鳥栖:55.5%」、「松本:44.5%」で鳥栖に分があります。しかし、試合が動いた時間帯を見てみると… 鳥栖は、62分に池田選手に変えて豊田選手を投入します。しかし、直後に松本にPKで先制されます。その直後鳥栖は、66分に鎌田選手を投入。攻撃のカードを切り続けます。この間のボール支配率は、「鳥栖:50.6%」、「松本:49.4%」とこの試合、鳥栖の支配率最低を記録します。攻守のバランスが少し崩れ始め、交代した選手が効果的に機能していなかったように見えます。そして、73分、藤田選手の投入です。これ以降の鳥栖のボール支配率は56%と持ち直します。藤田選手投入で攻守のバランスが取れ始めたと考えられます。そこに「敵陣空中戦力」を制する男「豊田陽平」選手、さらに地上では「鎌田」選手が機能すれば…
クロスもグランダーのパスも対応OKと言う感じですね。試合終盤、体力的にきつい時間帯で松本はこれに対応するのはかなり、つらいものがあったと思われます。チーム全体の総合力の差と言った方がいいのかもしれません。この試合のターニングポイントは藤田選手投入だったのではないかと考えています。

最後に「鳥栖スタイルの変化兆し」の検証をしてみたいと思います。

⑧2015_J1_2nd_15節_ボジション別散布図

上の分布図は松本戦のポジション別「走行距離とスプリント回数」の分布です。横軸が「走行距離」、縦軸が「スプリント回数」です。注目は、一番右上に分布している「2nd15 鳥栖MF」です。走行距離、スプリント回数ともに高い数値を示しています。次に今節を含めた直近5試合の鳥栖MFの「走行距離とスプリント回数」を見てみます。

↓↓直近5試合の鳥栖MF「走行距離とスプリント回数」⑦2015_J1_2nd_15節_直近5試合MF
上の分布図で一番右上の「2nd15 鳥栖MF」が走行距離、スプリント回数ともに高い数値を示しています。これは、松本戦の鳥栖MFの数値です。他の4試合と比べ明らかな違いが見て取れると思います。走行距離、スプリント回数が前節よりさらに向上しています。次に 松本戦での走行距離、スプリント回数の向上が、チームスタッツ(オン・ザ・ボール)にどのような変化をもたらしたかを見ていきます。使用するデータは、いつものようにサッカーのデータを扱うサイトで有名な「Football LAB」さんのデータを活用したいと思います。

↓↓直近5試合のチームスタッツから見る変化
⑨2015_J1_2nd_15節_直近5試合チームスタッツ

上の表で注目は、「パス」、「クロス」の総数と成功率および「30mライン進入」の総数です。赤色の文字は名古屋戦と比較した数値です。「パス総数」、「パス成功率」、「クロス本数」ともに名古屋戦を下回っていますが、これは、松本がロングボールを多用する中盤を省略する戦術であったことも影響していると考えられます。しかし、「クロスの成功率」を見てみるとパス・クロス本数ともに前節を下回っているにもかかわらず、「25%」をたたき出しています。さらに「30mライン進入」においては「49回」と前節を上回っています。いかに効率よくチャンスを作り出しているかがわかるかと思います。

■鳥栖スタイルに変化のとは?
オフ・ザ・ボールでの「走行距離・スプリント回数」とオン・ザ・ボールでの「パス」、「クロス」が相互にリンクして、効率のよいハードワークとゲーム展開をしながら、なおかつ効率よくゴールチャンスを作れるようになってきていると考えられます。リーグ戦も残りわずかですが、やっとチームとしてやろうとしていた戦術が実を結びつつあるのではないかと…思います。

■最後に
今シーズンも残り2試合となり、ホームではあと1試合となりました。残留も決め、あとはホームでの勝利ですね。スタジアムでホーム最終戦をめい一杯楽しんできたいと思います!!
次回は、仙台戦前後に投稿を予定しています。

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